空をこえて

平凡日本語教師がエジプトへ!現在は日本に帰国したけれど、blogはぽちぽち更新中

エジプトの大学「授業時間はルーズなのに、成績には厳しいの?」

 

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写真:カンニング防止のために廊下に置かれる鞄たち
 
みなさんこんにちは、ハナです。

現在、28年度2次隊青年海外協力隊のボランティアとして、エジプトの大学で日本語を教えています。エジプトの大学は長い長い夏休みに入りました。
 

ひっそりとブログを書いていたつもりだったのですが、先日他の隊員から「見てるよ、ブログ」と言われてしまい、すごく恥ずかしかったです。なんか、こう、身内に発表会を見られている感じですね。苦笑
あまり恥ずかしくないよう、気取らずに書きたいものです。
 
 
 
今日はエジプトの大学の制度について、ご紹介したいと思います。
 

エジプトの大学「授業時間はルーズなのに、成績には厳しいの?」

教授の都合によって授業時間はしょっちゅう変わります。なのテスト期間には急にピリピリした空気になって…?エジプトの大学事情を少しだけお見せします。
 
 

1日の時間割

 うちの大学は朝9:30に1限が始まります。

日本語学科の1日の時間割は、以下の通りです。
1限 9:30~11:00 
2限 11:15~12:45
3限 13:00~13:45(45分授業)
4限 14:00~15:30
 

私たちの学科は基本1コマ90分。教室不足のため、午前は1教室、午後は2つの教室を使って授業をしています。
 
しかし、日本の大学のように全ての学科が同じ時間で動いているわけではありません。
学科ごとに1限や2限の時間は違います。
 
先生によって授業時間も1時間で終わったり、2時間かかったり、きちんと決まっていません。
遅刻してきた学生が「前の英語の授業が(長引いて)…」と言うこともあります。
 
日本語学科の授業はだいたい15:30に終わりますが、ほかのほとんどの学科は13:30ぐらいに終わっています。先生たちは14:00のバスで帰宅。
羨ましい!
 
実は14:00になると南エジプトの私たちの町は、本当に暑くなるんです。
最高気温はなんと50度。人間が、真夏の動物園のパンダみたいにペターっ。ときどき授業も短縮せざるを得ないほど、学生がぐったり。
 
 授業が短いのも納得です。
 
 


学期となが~い休み

他の欧米諸国と同様、エジプトは9月から新学期が始まります。
といっても、9月末から始まるのに、学生が来るのはだいたい10月中旬から。
 
まぁ、日本でも「最初の週はオリエンテーションだから…」と休む学生がいますよね。だいたいは同じなのですが、エジプトの学生はがっつり3週間くらい遅れてきます。
 
学生「わからないから教えてください」
私 「え、やだよ。休んだあなたの責任でしょ」
学生「故郷で兄の結婚式があったからです。」
私 「知らんし。もぉー。」
 
そんなこんなで補習見ちゃうんですよね。私もたいがい甘い。
 

ちなみに、学期は以下の時期になっています。
 
学期
前期 9月末~1月末(1月は全てテスト)
後期 2月中旬~5月末(5月は全てテスト)
(※後期はその年のラマダンの開始時期によって、学期終了日が変わる)
 

短いですよね。
私はそろそろ10か月経つのですが、学生がそろってきちんと授業ができたのはトータルで5か月ぐらいでした。
 

今年は5月27日からラマダンが始まる年だったので、だいたいそれまでにテストが終わるように計画されました。
ラマダンとは、日の出ている間イスラム教徒が断食をする期間のことです。なぜラマダンが始まる前にテストを終えたいのか…それは、
 
①私たちの大学は南の果てにある&エアコンがない
→②めちゃめちゃ暑い
→③ラマダン中は日中、水を飲めない
→④学生も職員も「ヤバイ」
↑の4段階を踏んでしまうからです。
 
首都カイロの大学は、もう少し遅くまでやっているそう。

そらそうだよね…この間見たカイロの教室、すごくきれいで日射し除けのブラインドまであったもん。こちとら窓ガラスもありませんよ。(←えっ)
 
 
 
 

コネ防止!成績のつけ方

 私たちの学科では、以下の試験があります。
・文法
・読解
・作文or口頭試験
 
学生はそのほかにアラビア語/第二外国語/倫理/コンピューターなどの試験も受けます。
全ての科目のトータルで成績が出るので、日本語だけ上手でも成績上位に行くことはできません。
 

私たちは採点した後、アラビア語で点数を書いて提出。
どの科目も以下の6段階評価です。
モンターズ    (とても素晴らしい)
ジャイド ジッダン(とても良い)
ジャイド     (良い)
マクブール    (ギリギリ合格)
ダイーフ     (弱い)
ダイーフ ジッダン(とても弱い)
 
ダイーフは通年の成績次第で合格、ダイーフ ジッダンは翌年の再履修確定です。
 

そして、今回伝えたいことは「コネ防止」の成績のつけ方!
なんと、うちの大学では「学生は筆記試験に名前を書いてはいけない」というルールがあります。なぜなら、採点する先生が親族やお気に入りの学生をひいきする可能性があるからです。
 
 
エジプトはコネが強い文化。
それを教育の場から排除しようと、教育省も一生懸命です。
 
 
私たちのような語学講師が採点した後、試験監督の先生が学生の名まえとテスト番号(ランダムにふられた番号)を照らし合わせて成績を出すのです。
だから、成績発表の時まで私たちも誰がどんな成績をとったのか知らないのです。
 
 
 

まとめ

のんびりした運営と学生のおかげで授業期間が短いエジプト。
のんびりはいいとしても、うちの大学はいまだに成績の管理がアナログ。これはさすがにのんびりしすぎでは?
アナログのせいか、先日もらってきた成績一覧の中に4つも間違いを発見してしまいました。
これから訂正してもらわなくては…!!